まめや金澤萬久について

伝統への敬意、新しい文化の創出

まめや金澤萬久は、貴重な素材と伝統技術に敬意を払い、
石川・金沢の文化を背景にしたものづくりと創意工夫の中で生まれる
新しい価値を商品にのせてお届けしていきます。

萬久のはじまり銀行(bank)から生まれた
「まめや金澤萬久」本店

北國銀行武蔵ケ辻支店

まめや金澤萬久は2009年、明治から昭和にかけて活躍した建築家 村野東吾が設計した北國銀行武蔵ケ辻支店で産声を上げました。北國銀行様からいただいた「銀行内のカフェ」というテーマに、「萬久(バンキュウ)」と名付けたのは銀行(bank)をもじった言葉遊びからです。
現在は国登録有形文化財に指定されているこの建築も、再開発のため解体されそうになった過去があります。しかし当時の金沢市長が北國銀行に保存を強く要請し、それに応えた銀行は開発区域から逃れるために伝統的な曳家工法で約20メートル建物の位置を移したのでした。こうして残された美しい建築を町と人のために活かすためにはどうすべきか、という問いに対する答えが「まめや金澤萬久」でした。
和菓子の町である金沢で、洋菓子職人が和の素材を使った和洋菓子をつくろう。歴史を築いてきた先人たちに敬意を払いながら、文化都市金沢にふさわしい新しい菓子文化を創出していこう。その決意が萬久の始まりでした。

北國銀行武蔵ケ辻支店
新しい本店へ

新しい本店へ

その後も、金沢の文化を背景にしながら成長を続けた萬久でしたが、2016年銀行業務の拡張による改装のために本店を移転することになります。移転先は経営母体である株式会社ぶどうの木の本店敷地内です。ぶどうの木本店には、ぶどう園や農園を背景としたレストランや洋菓子店、ウェディングチャペルなど複数の施設があり、萬久本店もその一つとして、豊かな自然に囲まれた金沢北部の地でお客様をお迎えすることになりました。こうして一つの節目を経て現在の萬久本店は開業しました。
本店は、以前事務所だった建屋を利用しました。やさしい風合いを生む漆喰の乳白を基調としながら、そのまま残した梁、2階にはガラスの回廊、躙り口とそこからつながる小さな茶室など遊び心が随所にあふれています。とりわけ茶室の天井は見どころのひとつ。仰げば、代表商品「金かすてら」で、職人が金箔を丁寧に一枚ずつ貼り敷く技術がそこに広がります。それはまさに、伝統への敬意と新しい文化の創出。創業当時から今に受け継がれる萬久の世界観をお楽しみいただける空間、それが萬久本店なのです。

良質な素材から生まれる
新しい美味しさと伝統文化の融合

素材と技術、創作性

和の素材に注目した萬久は、「豆」という素材にたどりつきましたが、その思いに共感くださったのが、加賀能登の優れた生産者の皆様でした。国産有機農業の第一人者である井村辰二郎氏は、金沢および能登で栽培する有機大豆をくださいました。能登町の末政(すえまさ)さん、二三味(にざみ)さんも、能登大納言や黒豆、緑豆など、その年の収穫にあわせて様々な素材をくださいました。
こうしていただいた良質な素材に、萬久ならではの技術をまとわせて、今でもさまざまな商品作りに取り組んでいます。炒り豆やチョコをコーティングした「ちょこ豆」などの豆菓子は、オーソドックスな味わいから洋風のエッセンスを加えた絶妙なフレーバーなど幅広いラインナップ。シンプルなカステラに金箔を手作業で貼り上げる「金かすてら」も萬久を代表する商品になりました。近年ではバウム生地に黒豆とわらび餅を重ねた「わらび餅のバウム」の斬新なアイデアと美味しさにもご好評をいただいています。

素材と技術、創作性
“萬久の豆箱<

萬久の豆箱

もうひとつ、萬久を語る上で欠かせないのが「豆箱」です。やわらかな曲線を輪郭とする豆型の容器に、九谷の職人が1点ずつ絵付けを施すオリジナルの紙箱です。九谷焼の技法を用いて描かれるのは、年中行事や季節の花、愛らしい動物など。やさいしい線と淡い彩色で描かれる上品な絵柄に思わず顔がほころびます。
今では萬久の顔ともいえる存在ですが、発売当初の豆箱には絵付けがされておらず、ただの豆型容器に興味を示してくださる方はほとんどいませんでした。この箱に光をあてたいという思いと時を同じくして、萬久創業者は友人である九谷焼作家夫婦が不況で仕事が少ないという話を聞きます。そこで、遊び半分に豆型容器に絵柄を書いてほしいと依頼したのが、まもなく卯年を迎える年の暮れでした。そうして、初めて豆箱に描かれた「うさぎ」の絵柄は、今でも萬久の豆箱の中で不動の人気商品。豆箱の総出荷数は、一時は年間40万枚を超え、寂しかった九谷焼の里に新たな活気を生み出しています。